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サービス貿易とは?

「貿易」と聞いて、何を思い浮かべるでしょうか?おそらく、牛肉などの農産物や、自動車や家電製品などのものの取引を思い浮かべることが多いでしょう。それでは、「サービス貿易」とは何でしょうか?もちろん、サービスが国際的に取引されることを意味するのですが、貿易ということであれば、世界の貿易ルールを策定するWTO(世界貿易機関)でも話し合われることになります。そこで、以下に、サービス貿易とはいったい何なのか、現在のサービス交渉のポイントは何か、簡単に見ていきたいと思います。

そもそもサービス貿易とは?

経済産業省の資料によると、サービス貿易とは「金融、運輸、通信、建設、流通等のサービスの国際取引のこと」とされています。これだけではなかなかイメージがつきにくいので具体的な例を挙げてみると、「海外でATMを利用する」「海外旅行で外国の航空会社を利用する」「海外にいる友人に連絡を取るため国際電話を利用する」というのは、それぞれ順に「金融」「運輸」「通信」というサービスが消費されたことになり、そのサービス料金は海外の会社に支払われることになります。

「サービスが消費され、その対価が外国の会社に支払われる」。ここで、サービスという言葉を農産物や家電製品に換えると、これって立派な「貿易」ですよね。現在、世界貿易の取引額にしめるサービス貿易の割合は、年々増加傾向にあり、2000年で全体の18.8%、額にしておよそ1兆4350億ドルにも上ります(WTO事務局発表)。日本を見てもわかるように、第3次産業つまりサービス産業に従事している人の割合が多い先進国にとっては、サービス産業というのは世界的にこれから「伸びる」市場であり、外国で自国の企業がサービス事業を展開するためにも、貿易ルールを作るということが求められるということです。

サービス貿易交渉

しかし、サービス産業がどんどん発展しているとはいえ、なぜ国際交渉が求められるのでしょうか? それは、サービス事業を行うための基準や政府による規制が世界各国ばらばらなことに問題があります。例えば、一口に「郵便サービス」といっても、世界各国、サービス事業者のカタチはさまざまです。日本では民営化が決まり、現在の郵政公社はドイツと同様に「ふつうの会社」になり、アメリカ合衆国は政府の関与が大きい「公社」というような感じです。

ということで、WTOでは、「サービスの貿易に関する一般協定(GATS: General Agreement on Trade in Services)」が策定され、加盟国間の国内規制の格差を一律にしようという交渉が進められているのです。GATSはサービス貿易の障害となる政府規制を対象とした多国間国際協定のころであり、途上国の同意も得てWTO協定の1つとして、1995年に発行されました。GATSは政府が提供するサービスを除く、あらゆるサービスが取りあげられることになっていますが、WTO事務局は、サービス交渉のために12にサービスを分類しました。その表が下です。

表 <サービス交渉の12分野>

交渉のポイント

交渉では、何が問題となっているのでしょうか。そこで出てくるのが、「モード」とよばれるサービスの4つの分類です。

第1モードは、サービスの越境移動とよばれるものです。飛行機の国際便や国際電話といったサービスがこれにあたります。第2モードは海外でのサービス消費とよばれ、ある国の消費者が外国のホテルに宿泊するといったものです。第3モードは、サービスの直接投資とよばれ、ある国の銀行が、他国に支店を設置することがこれにあたります。第4モードは、人による海外でのサービス提供といいますが、これは、ある国のアーティストが外国でコンサートを開くといったサービスです。(これもサービス貿易に関係するのですね)第3モード以外は、みなさんが経験したことのあるサービス消費ではないでしょうか。
 そして現在、国際交渉では、サービス貿易の中で第4モードが大きな争点の1つだと言われています。いわゆる海外からの「出稼ぎ労働者」の問題です。最近では、日本とフィリピンとの経済連携協定(EPA)では、看護士を日本が一定数受け入れるということが合意されましたが、まさにこういった「人の移動」について、その業種や資格、基準についてどのようなルールを作るのかが、先進国と途上国間で意見の衝突があるといえます。

わたしたちは普段何気なくサービスを消費しているのですが、サービスが提供されるためにも国際的な話合いがあるということです。

外国で展開されている便利なサービスが、自分の国でも提供されるということは消費者にとってはメリットのあることだといえますが、安い価格と質の高さが求められる、水道や電気といった公共性のあるサービスが、どのように扱われるかも、自由化を議論していく上で問題視されています。お金がなければ質の確保されたサービスが享受できない事態は、もちろん避けなければなりません。世界と国内基準のバランスをとりながらの国際交渉が望まれるでしょう。

参考ページ

外務省「WTOサービス交渉」

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