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エコラベル

暮らしの中のマーク

普段の生活の中で、みなさんはどのくらいのマークを目にしているでしょうか。そして、マークからどんな情報を得ているでしょうか。例えば、トイレのマーク。「男」「女」と文字での表示がなくても、マークさえあれば、私たちは迷わずどちらかの方へ入って行けます。それから歩行者用信号。もちろん、赤・青といった色での区別もできますが、人が歩いているマークと立っているマークとで、渡るのか止まるのか判断ができます。これらは誰もが日常生活で出くわす、また規則を守るという点で生活に不可欠なマークですが、世の中にはまだまだたくさんのマークが存在しています。ではなぜ、たくさんのマークが存在する社会になっているのでしょう。その理由のひとつには、言葉で長々とした説明書きを添えなくても、見る人がマークの意味をきちんと理解していれば子供から大人まで、誰もが簡単にその情報を知ることができる、ということが挙げられると思います。ここでは、そんな数々のマークの中で、環境に配慮した製品につけられるマーク、環境ラベルについて考えてみましょう。

環境ラベルとは

環境ラベル。この言葉を聞いたことがない人でも「エコマーク」と言われれば、ある程度想像がつくのではないでしょうか。文房具やトイレットペーパーなどによくついている、地球を抱きかかえたようなデザインのマークです。このマークは数ある国内の環境ラベルの中で、唯一、国際的な機関(国際標準化機構)に登録されているものです。環境への影響が小さい、つまり環境負荷が小さい製品(以下、エコ製品)につけられ、同じ種類の他製品と区別がなされています。現在、環境問題の深刻さがあちこちで話されるようになってきましたが、そういった問題を受けて、私たちが何か行動を起こそうと思ったとき、例えば、このエコ製品を買うようにするだけで地球環境に貢献することができます。もちろん消費行動は個人の自由によるところが大きいので、この製品を買いなさい、という強制力を環境ラベルが持っているわけではありません。あくまでも私たちに情報を与えてくれるひとつの手段なのですが、誰にとってもわかりやすいマークのおかげで環境に配慮しようとする人がエコ製品を選びやすくなり、それが多くの人に広まれば環境へのプラス影響はとても大きなものになります。

環境ラベルとWTO

今の社会は、貿易によってたくさんの輸出入が行われ、日本にも多くの海外製品が入ってきています。市場が世界規模になっているわけですが、製品についてまわる環境ラベルに関して、世界規模での話し合いが行われようとしている場所のひとつにWTOがあります。2003年、メキシコで行われた閣僚会議ではこのテーマについての大きな進歩はありませんでしたが、WTOで問題にされているのは、環境ラベルが貿易障壁になるのではないか、ということ。つまり、ラベルのついている製品を優遇して輸入するなど、ラベルの有無によって貿易量に差が生じるのではないか、ということです。WTOの掲げる方針は自由貿易であって、製品の差別化もしてはいけません。WTOの体制下においては、環境ラベルが貿易を妨げる原因となって体制に反する、というのです。エコ製品を広めて地球環境を守っていくために環境ラベルの世界基準を決めようという動きも他の機関であるのですが、途上国など、環境負荷を下げる十分な技術を持ち合わせていない国にとって、環境ラベルを取得できるほどの製品を作るのは難しく、もしラベルの世界的な基準が決められればそれに到達できずに、製品が売れない→収入が得られないというマイナス面が促進されかねないので、多くの途上国は世界基準を決めることに反対しています。

最後に

大量生産・大量消費・大量廃棄。現代を表す言葉としてきっと耳にしたことがあると思います。この形態が地球環境に良くない、というイメージは多くの人が持っているものではないでしょうか。こういった生活から抜け出すために、もしくは環境に配慮していかなければならないと考える人にとって、(貿易面や途上国関係で課題はあるものの)環境ラベルはとても有効なものです。ただ、ラベルの意味をきちんと理解し、消費行動における判断基準のひとつとして正しく社会に浸透させることが必要です。負荷の大きいもの小さいものが混在している今の市場で、私たち消費者がなにをもって製品の選択をするのか。価格・機能・デザインといった選択要素に環境負荷の大小が加えられれば、環境問題の改善を強く後押しすることになります。誰もが行う消費において、それぞれが少しの配慮を伴って行動すれば大きなエネルギーとなるからです。ただ、現状として、日本ではまだ環境に対してしっかりした制度ができあがっていなかったり国民意識がそれほど高まっていないという問題があります。先ほど紹介したエコマーク。このマークを取得しようと申請する企業のうち、80%以上が認証を受けているのですが、これは企業の技術が高いから、というわけではありません。環境先進国といわれるドイツのブルーエンジェル(日本のエコマークのようなもの)の取得率は20%程度。企業の技術の程度がここに表れているのではなく、この差は認証の厳しさの違いだと言われています。ドイツでは国民意識が高くまた企業・行政も環境に配慮しようとするぶん、それだけシビアに製品を捉えようとするのです。環境ラベルにちょっと目を向けてエコ製品を手にとってみることに加えて、私たちの環境への意識を高めていくことができれば、ラベルの質ももっと向上していくはずです。いつかすべての製品が環境に十分配慮されたものになり、あえて環境ラベルをつける必要がない社会。それが本当の意味で目指されるべきカタチなんでしょうけどね。

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